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【活動報告】ミライの起業家育成プログラム・先輩起業家・小林味愛さんの話を聞く会

1月31日開催の「先輩起業家に話を聞く会」には、女性社会起業家の小林味愛さんにお越しいただきました。

小林さんは大学卒業後、国家公務員、日本総合研究所勤務を経て、株式会社「陽(ひ)と(と)人(びと)」を設立。主に、福島県国見町の地域課題を解決しながら、持続可能な経済をつくるために日々奔走されています。

大学生時代は部活と遊びに全力投球し、その後猛勉強の末、慶応大学法学部に入学。留学先のオックスフォード大学リンカーンカレッジにて、公共政策や政治に興味があることに気づき、「大学で勉強したことと現場の違いを実際に知りたい」という思いから、国家公務員試験を受験、衆議院調査局に入局をします。

国家公務員時代は、経済産業省への出向、産業競争力強化法案準備室への移動など、忙しい中でも、法律の勉強は怠らなかったといいます。25歳の時にはご結婚も。その後、ローカル経済圏チームにて、地方創生に関する仕事し始めたときに、「現場のことが何も分かっていない」と思い、「地方と政府の両方を繋げる橋渡しになりたい」と決意を固めました。

「逃げ道を作らないために」と転職先は決めずに退職し、若いうちから自由に現場に出て様々な経験ができるところに惹かれて、日本総合研究所に転職。

日本総合研究所では、全国各地で仕事をされました。福島県国見町では、高校や大学がなく若者が地元から出て行ってしまうという問題を解決するために「七不思議を解いて廃校から脱出せよ」というイベントを開催し、100名近くの集客に成功。また、富山県では宇奈月温泉を活性化するために、地元の若い女性を集めて魅力を発掘して発信しようというプロジェクトを始め、今では地元の女の子たちが主体となって地域を盛り上げるまでになりました。

そんな中で、辛い時福島がこころの支えになっていることに気づき、「福島が好き」「恩返しがしたい」という純粋な気持ちから、会社を辞め、東京と国見町での二重生活をスタート。地域の人たちを少しでも笑顔にしたいという想いを込めて、太陽と人の文字をとって、株式会社「陽と人」を設立されました。人口が減少していく中で、国に依存せずに、子どもたちの将来に繋がるような持続可能な地域循環型経済を構築することを目標に、流通改革、六次化商品の開発、農業の担い手問題の解決、観光振興、地域プロデュースなど様々な活動をされています。「外から来たからこそ、埋もれている宝に気づくことができる」という小林さん。その時のワクワクした気持ちを、目を輝かせながら語っておられました。流通改革では、良いものと一緒に情報を伝えることで、農家さんの収入向上、農産物のブランド化を目指されています。また、廃棄されたものや売れないものを買い取って新商品を開発するなど、農家さんが愛情込めて作った農産物を、有効活用されています。

社会的な課題を解決しながらやっていくソーシャルベンチャーは、一般的なテックベンチャーと違い、構造的な赤字が6年は続くと言われている地道な道のり。若い女性起業家、元官僚という肩書きで取り上げてもらう機会は多いけれど、やっている仕事の9割は泥臭く、現場に足を運んではお話を聞いて、課題を発見することの繰り返しだという小林さん。大切なのは学歴や経歴ではなく、自分が生きてきた中で作ってきた知識や信頼関係なので、人の信頼を裏切らないこと、嘘をつかないこと、自分の知見を高めることが大事だと語っておられました。どんな状況でも明るく、楽しむところや、情報を鵜呑みにすることなく、自らとことん調べる小林さんの姿勢からは、起業家としてだけでなく、人として大切なことも学ぶことができました。また、起業は自分のやりたいことを実現するための手段なので、自分にとって楽しい人生、後悔のない人生を送って欲しいとおっしゃります。

参加してくれた5名の皆さんからは、「人を大切にしている気持ちが伺えて、本当に幸せな時間でした」「悩んでいたことがクリアになり、やりたいとこにつながりそう」「時間がかかることでもあきらめない気持ち、楽しむ気持ちを持って仕事に向き合うことが大事だとわかった」などの声が上がりました。

等身大で話して下さる味愛さんのおかげで、ワークショップ後も、沢山の質問が飛び交い、和やかな会になりました!

小林味愛さん、貴重なお話をありがとうございました!

 


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