「将来起業したい」「自分のプランに磨きをかけたい」「合宿でじっくり取り組みたい」
こんな思いを持った8名(高校生・大学生・社会人)が集まり、2月22日~23日にビジネスプラン合宿をフォレストパークあだたらで開催しました。
講師は、10月のアイデア出し合宿の時と同じ㈱ブルームコンセプトの小山龍介先生。
「ビジネスモデルジェネレーション」の訳書を手掛け、ビジネスモデルをA4の紙一枚で視覚的に把握できるビジネスモデルキャンバス(BMC)を用いた研修を実施して下さる先生です。
今回は、事前課題として自分のBMCを書いてくることが課せられました。漠然と思い浮かんでいる自分のプランをまずBMCに落とすことにより整理し、BMCを予習するためです。
今回のビジネスプラン合宿では、このBMCシートを元に、ターゲット層にヒアリングを行い、ヒアリング結果を受けてBMCを方向転換し磨きをかけていくことを行いました。
▶アイスブレイク
相手の意見を受け入れて、そのうえで自分の意見を上乗せしてアイデアを膨らませていく Yes,and の練習も兼ねたアイスブレイクを行いました。
▶ヒアリングの練習(おさいふプロジェクト)
ヒアリングによって相手がモノ(今回はお財布を題材に)にもとめる潜在的な欲求を推測し、その潜在的な欲求から相手にとって予想以上のアイデアを生み出す練習をしました。
▶事業コンセプトシートの作成
ヒアリングに先立ち、BMCを基に、ヒアリング相手への説明に適したコンセプトシート(チラシのようなもの)を作成。他の参加者からの質問を受けることで、自分のコンセプトシートに足りない情報に気付き、その情報を付け加えました。
▶ヒアリング
現時点のビジネスについて、ターゲット層にヒアリングを実施。その場にターゲット層がいる場合はその場でヒアリング、いない場合は電話やSNSを駆使して一人5人を目標にヒアリングを行いました。
ヒアリングによってターゲット層のニーズと自分の考えたプランのギャップを調査。ヒアリング結果を受けて自分のプランを変更していきます。どのように変更していくか、その作業に頭を悩ませる参加者。先生のアドバイスを受けながら夜中2~3時までプランを練り直す方もいました。
▶収支計算
損益分岐点の考え方を教わり、ビジネスを継続させていくために最低限必要なコストについて計算しました。
▶ビジネスプラン発表会・審査会
2日間かけてブラッシュアップしたビジネスプランを外部審査員の前でプレゼンしました。審査員は小山先生に加え、株式会社陽と人代表取締役小林味愛さん、福島県産業創出課植松崇さん、Bridge for Fukushima代表理事伴場です。
・耕作放棄地をシェアしてスーパーフードを栽培する「スーパーシェアファーム」
・自ら学習する力を育む「学童+塾+体験を行う自習室」
・男女の出会いの場を新しい形で提案する「会員制カフェバー」
・生きづらいと感じている高校生の居場所作りを行う「福島県版もやもやスペース」
・社会活動を行いたい方の第一歩をファンドレイジングという形でサポートする「ファンドレイジングCAFE」
・農業に対するイメージを変え、農業従事者を増やすきっかけを作る「一日で農業・食に対する見方が変わる農業体験」
・視覚障害者が道に迷った時などにGPSを利用してタクシーを呼べる「SOSアプリの開発」
という7つのビジネスプランについて発表を行いました。
緊張しつつも、みな合宿前と後でどれだけプランが変わりブラッシュアップさせたか発表をしました。
審査員からのニーズ、採算性、そのプランの特徴的な価値についてするどい質問や意見に対して、スムーズに答えられない状況に、1回のヒアリングでは調査しきれなかった事や、考察しきれなかった採算性のことなど、まだまだ課題がたくさんあることを痛感した参加者。
しかし、2日間自分のプランと向き合い、ヒアリング~プランのブラッシュアップという作業を経験し、人前でそのプランを発表した参加者たちは達成感にあふれていました。
審査会後の振り返りで
「自分で最高のプランを作ったと思っていたのに、まだまだ足りないところがある事に気付いた。悔しい。この悔しさをバネに絶対に実現してみせると思った。」
「自分がやりたいこととターゲット層が求めているニーズを合わせることの難しさを知った。あれもこれもやりたかったけど、まずはやりたいことの柱を絞ることの大切さを学んだ。」
「ビジネスモデルを作る手法を知りたくて合宿に参加したが、他の参加者が本気で自分がやりたいことと向き合い作業をしている姿を見て、自分が出遅れていると感じた。とてもいい刺激を受けた。」
「かなえたい夢があって、そのヒントがほしくて参加した。これまで出会えないような仲間と出会えてよかった。絶対夢を叶えてやるという意思をもってこれからも学び続けたい。」
というコメントがありました。
2日間という短い時間でしたが、いかに内容が凝縮され、学びが深かったかが分かります。
今後、実行に移す参加者は、さらにヒアリングを行いプランをブラッシュアップさせます。その第一歩を踏み出すお手伝いをBridge for Fukushimaでは引き続きサポートしていきます。