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代表あいさつ

伴場さん写真(web用).jpgのコピー

5周年を迎えて

おかげさまで2011年にはじめた小さな私たちの団体も、6年目を迎えることが出来ました。
改めましてご支援をいただいている多くの皆様に御礼申し上げます。

おかげさまで、主力の事業である高校生の人材育成プログラムは、県内200名の高校生にサービスを提供し、1年間で20以上の高校生によるプロジェクトが行われ、NPOと行政(学校)の垣根を超え、企業や財団などとも共同の事業が展開されています。これからも、この活動は拡大し、より多くの高校生の人材育成にかかわっていきたいと思います。福島の高校生たちが、世界中に飛び出し、もしくは近い将来私たちの仲間として活躍してくれることを楽しみにしている毎日です。

他方、5年の節目を迎えこの先10年目に向けて私たちが何をすべきかを改めて問われる1年になると考えています。私は2013年から昨年にかけて、NPO法人ETIC.さんとアメリカにあるジャパン・ファンデーションさんのご厚意で、11年前にハリケーンの被害により市全体が避難となったニューオリンズに数回訪問し、現地の行政・財団・NPO等から復興後期(5年目から10年目)に向けた経験や問題点を共有していただきました。その中で印象に残っているのが、私たちにとってはとても復興が進んでいるように見えたニューオリンズでも、実際に復興したと実感できてきたのはここ数年(7年目、8年目以降)だということ、復興を体感できるよう復興とはどんなことなのか?の「定義」づけを行う必要性でした。

福島にとっての震災は、地震・津波、そして原発事故と3つの被害状況が地域によって全く異なるため、複雑になりかつ分かりにくくなっているのは間違いありませんが、「復興」という定義については同じ尺度で図るべきだと思います。

では「復興」の定義、福島に住む我々にとって復興したとはどんな状態なのか?ここ1年以上ずっと考えていたことでしたが、避難をしている方々からのヒアリングをすることで以下のように考えるようになりました。

1.物理的復興(道路・湾岸・個人の家などが震災前の状態ないしは震災の影響が見えない状態)
2.人的復興(個人において経済的・心理的に自立した状態)
3.経済的復興(復興特需を終えて、自立した経済が循環した状態)
4.社会的復興(地域持つ機能や文化の継承ないしは代替のコミュニティー)
5.自然の復興(震災の影響がなくなり、森・海・川などが自然に戻った状態)

つまりはこれらの1つの要素のみではなく、5つの要素が重なってはじめて復興が出来るものだと。
どうしても復興というと、1~3に多くの比重がかかります。しかし飯館村の方々に話を聞くと、四季折々に行われていたお祭りの話、そして阿武隈の森の恵みである山菜・きのこなどの話をされるときには決まって何とも言えない笑顔になります。

私たちBridge for Fukushimaでは、「データブック」の作成を行いながら、今年一年はより「復興」の定義ないしは指標化という作業を通じて、より深く「復興」を考える1年にしたいと思っています。

今後ともご支援の程よろしくお願いいたします。

2016.6.24 代表理事 伴場賢一

一般社団法人 Bridge for Fukushima
[本部:高校生のためのコミュニティスペース palette]
〒960-8061 福島県福島市五月町2-22
TEL&FAX:024-502-7121
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