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【第3回ソラトブクルマ活動報告】2017年度ベネッセ子ども基金助成事業

2018年3月9日~11日の2泊3日で、将来について対話を通して考える高校生企画「ソラトブクルマ」を行いました。この活動は2017年度ベネッセ子ども基金の助成により実施されました。

これまで過去2度のソラトブクルマを実施してきましたが、今年度は「対話」を重視した新しいコンテンツが組み込まれています。「学校で講演を聞くことはあるけれど、大勢のうちの1人になってしまいがち」という高校生自身の課題感から、少人数での対話・1対1での対話の時間を多く取り入れました。3日間の流れとともに、様子をご紹介させていただきます。

【1日目】
〔アイスブレイク〕
まずはじめに、自己紹介をし、その次に歌詞や名言が一文字ずつバラバラになったカードを元の文に組み立てる文字並べというゲームをしました。文を組み立て終えてみんなで盛り上がっている様子も見られ、徐々に和やかな雰囲気になっていきました。そして次に人間ビンゴというアイスブレイクを行いました。自己紹介だけでは見えなかったお互いの趣味や考え方に触れることができ、相手について理解を深めることができる、いいきっかけになりました。

〔講話〕
まず初めは豆菓子問屋おくや社長である松崎健太郎さんのお話でした。創業してから、社員の方の猛反対があってもそれを押し切ってピーナッツ工場を設立したり、奥さんに内緒で会津落花生センターをオープンしたりと、決断力や行動力に驚かされることばかりでした。そんな中で、私が印象に残っている言葉があります。それは「ゼロからイチを生み出す経験」「1番はやいとオンリーワンになれる」という言葉です。松崎さんは、学校にバスケ部がなかったから自分で作ってしまったという経験をお話してくださったのですが、うまくいくかいかないか、ではなく自分がやりたいかやりたくないか、で物事を判断するその姿勢に刺激を受けました。

2人目の方は一般社団法人Bridge for Fukushima事務員である藤本菜月さんでした。今回講話をしてくださった大人の方の中で唯一の女性ということもあり、これからのライフステージを見据えつつ自分の将来について考えることができました。結婚と同時にキャリア官僚をやめ、転勤を繰り返しながらもその中で自分のやりたいことを見出していった藤本さんのお話の中からは、うまくいかなくても自分の置かれた環境の中でもがき続けた藤本さんの強さを何度も感じました。藤本さんのお話にあったように、興味があることにはどんどん突き進んで、経験と体感を手に入れ、それを自分の行動の原動力に変えていきたいと思いました。

【2日目】
2日目は①自己分析 ②菅家元志さんの講話 ③下村靖樹さんの講話 ④夕食(オムライス) という流れで進みました。 自己分析では「幸福」「自分」というお題からマインドマップを広げる活動をしました。それぞれ自分の思考の組み立てられ方を客観視し、自分を改めて見つめるいい機会になりました。 株式会社プレイノベーション代表取締役の菅家さんのお話では、学習塾の立ち上げや留学の経験談、フェスの開催などの話をふまえて、今からでもできることはたくさんあるということを学びました。漠然と不安になるのではなく、不安なことを明確にすることが大切だというのがとくに印象的でした。 戦場ジャーナリストの下村さんのお話では、難民キャンプやジェノサイド、子供兵士のお話など途上国の現状を知ることができてすごく衝撃を受けました。ふだんなかなか聞くことの出来ない貴重な現地のお話をたくさん聞くことが出来ました。 夜はみんなでオムライス選手権をしました。一人ひとり自分でふわふわ卵をつくり、すごく楽しい時間でした。その後もメンターや高校生同士の深い話を自由にできる、充実した時間を過ごすことができました。

【3日目】
〔対話〕
大人の方との対話では、やはり学生の間では出てこないような、経験と知識を踏まえた上での意見やアドバイスをいただくことができ、吸収することが多くありました。特に、自分が考えていた将来のビジョンについて「なんでそう思ったの?」などと質問していただくことで、改めて自分の考えをさらに明確化することができ、また考え直さねばならない部分も見出すことができました。それに加え、大人の方から見た自分(自分では見えていない自分)についても意見をいただき、新たな自分を発見することもできました。 大学生との対話では、まだやりたいことが見つかっていないという私たちと同じ状況にある大学生でも、将来に対する考えの深さはやはり大学生の方が深く、自分が将来についてどのようなアプローチを踏んだ考え方をすれば良いのか、参考にさせていただくことができるものが多くありました。 高校生との対話では、将来についての不安やお互いの将来ビジョンを共有したりすることで、同じ高校生でも将来について明確なビジョンがある人、悩んでいる人、全く考えを持っていない人、様々な高校生がいることを、身をもって感じ、刺激を受けたり安心したりすることができました。そして自分のモチベーションを上げるきっかけをつくることができました。 私は対話の中で、自分の将来ビジョンをうまく話すことができませんでした。しかし「話せない」=「自分に自信がない」「ここをもっと考えないといけない」ということを、実践を通して理解することができました。そして、見つけた課題に対し自分が今出来ることを見出すこともでき、現在はそれに取り組むことができています。

〔EGAKU〕
「地球の真ん中にはartがある。」 私は初め、この言葉の意味を理解することができませんでした。私にとって「美術=先生に5を貰うためにうまく描かなければならないもの」だったからです。しかしEGAKUを通して私の美術に対する概念は180°変わりました。自分自信を鑑賞することから始まり、自分を色や形を通して絵に表現することは簡単なことではありませんでしたが、初めての絵による自己分析は自分を表現することの難しさ、楽しさ、もどかしさを感じ、とても新鮮な体験でした。今回描いた絵はまた次EGAKUに参加させていただいたときに、見比べることができるよう、大切に保管しておきたいと思います。

 

【このプログラムを振り返って】
今回、自分たちで企画、運営をしてみていろんな発見や得たものがありました。 企画をする中で1番感じたのは目標、目的を明確にする大切さです。大目標を固めるまではすごく大変でしたが、そこをはっきりさせるとどんな活動がいいのかを目標に沿うか沿わないかで考えることができて、より充実した活動内容に決めることができました。 また、企画した3人それぞれが自分の役割を理解して協力できたのはすごく良かったです。3人だからこそできた部分は多くあったと感じました。 当日の3日間は運営側であり参加者側でしたが、どちらも本当に充実した時間でした。運営面では事前に細かく考えていなかった部分も多くありましたがその場その場で考えながら進行できたと思います。2日目の夜のフリータイムの使い方は事前に特に決めていなかったのですが、3日目に繋げるためにどうすべきかをしっかり決めたりできてよかったです。ただ、最後に時間がおしてしまい、全体で3日間を振り返るような活動ができなかったので、そこでは何を優先すべきかもっと考えられたら良かったなと感じました。 企画、当日の運営を通して、目標を決める大切さ、優先順位のつけ方、まわりを見ることなどほんとにいろんなことを学びました。この経験をこれからに活かしていきたいです。充実した期間、本当にありがとうございました。


一般社団法人 Bridge for Fukushima
[本部:高校生のためのコミュニティスペース palette]
〒960-8061 福島県福島市五月町2-22
TEL&FAX:024-502-7121
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