一般社団法人Bridge for Fukushimaとアクセンチュア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:江川 昌史、以下 アクセンチュア)は、福島・宮城の7校の農業高校に対して、次世代の地域産業従事者を育成する年間プログラム「農業高校経営マーケティングプログラム」を実施しています。(プログラム詳細についてはこちらから。)
4月にスタートしたこのプログラム。
4~6名のグループに別れて1年かけて商品開発をしていきます。このプログラムではグループ=会社。それぞれ思いの込められた会社名を付け、メンバーは社長、商品部長、販売部長、経理部長と役割を持ちます。
5月は商品企画を行いました。
これから開発する商品のアイデア出し、たくさんでたアイデアから作れそうなものを絞り込みます。そのうえで、最後に販売する東京販売会の客層や競合商品を勘案して、2つまで商品を絞り込みました。
ここからが他の商品開発の授業とは異なるところ。
マーケティングに大切な「ターゲット設定」「セールスポイントの明確化」、そして今年度は「ストーリー」の授業も実施しました。
昨年度、商品の計画発表会などでゲストから
「この商品のストーリーは?」
「ストーリー性がない商品だね」
「ストーリー次第ではとてもいい商品になると思うよ」
など「ストーリー」についての質問や意見が多くでました。
ストーリーとは一体何なのか、なぜそんなにストーリーが重要なのか、今年はそういった内容の授業を追加し、自分たちの商品についてのストーリーをあらかじめ作ることにしたのです。
ターゲットや商品の特徴、こだわり、自分たちの思いなどからキーワードをできるだけ書き出します。そこから重要なキーワードを絞り込み、そのキーワードを使ってストーリーを作るというグループワークを行いました。
ストーリーを作っていく過程で、こんなことに気付く会社も。
「先生、面白いストーリーが作れないんです。ここをターゲットにしているから作れないと思うんです。」
自分たちの商品の特徴やこだわりがターゲットに合っていなかったと気付き、ターゲットを変更したのです。
また、商品の特徴だけを並べたストーリーを作っていた会社には、
「ストーリーってなんのために必要だったっけ?ターゲットにこの商品を買ってどういう気持ちになってもらいたいか、自分たちがどういう思いを込めてこの商品を考えたのか、もう一度よく考えてみよう。」
と問いかけることにより、再度キーワードを見直し、面白く買ってみたくなるようなストーリーに変更することができました。
授業時間に余裕がある学校では、生徒達がお客さんと販売員に扮し、完成したストーリーを使って、商品を売り込むという即興練習を行いました。そのストーリーがお客さんに本当に響くのか、それを体感することができました。
ストーリーが完成し、商品企画の授業は一旦ここで一区切りです。6月からは原価計算や価格の決定など、事業計画の授業が始まります。
細かい計算など生徒にとっては少々辛い授業が続きますが、それも経営にとっては必要な事。そして経理部長が活躍する番です。
我々スタッフもしっかりサポートに入っていきます。