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相双地区の輝く大人を伝えるプラットフォーム⑫ 「一般社団法人富岡復興ソーラー(富岡町)」

相双地区の輝く大人を伝えるプラットフォーム⑫

一般社団法人富岡復興ソーラー
代表理事 遠藤陽子さん

 

今回は、双葉郡富岡町の「一般社団法人 富岡復興ソーラー」で代表理事をされている遠藤陽子さんのお話です。
遠藤さんを一言で表すと・・・
~次の世代に多くの選択肢を残そうと事業に取り組まれている方~です。
遠藤さんが目指すこれからの富岡について伺いました。

~プロフィール~
遠藤 陽子(えんどう ようこ)さん
遠藤さんは富岡町出身、昭和25年3月生まれ。

Q.   設立の経緯について教えてください
私たち夫婦は共に富岡町出身で、2010年まで富岡町内の中学校で教鞭をとっていました。
2011年3月11日の東日本大震災とその後の原発事故を経験し、避難生活を送る中、富岡町の復興が進んでいないと感じました。
また、富岡町と避難先の二重生活を送るにはどうしてもお金が必要になります。そこで私たちは、富岡町の農地を活用して、町の復興に関わる事業を出来ないかと考えました。
土地が客土によってやせてしまっているため農業を行うのは難しいと思い、代わりに考えたのが、太陽光発電所の売電収益を生かし、町の復興に関わる事業を行うというものです。
その事業を行うために「一般社団法人富岡復興ソーラー」を設立しました。
Q.   事業の実施までにどのようなことをしたのですか?
事業を実現させるために、発電所を設置する予定だった高津戸、清水前地区の地権者の方々に向けて、何度も説明会を行いました。地権者の方々は避難先が県外も含め広範囲のため、声掛けをするにも大変だったのですが、事業の内容や、売電益をどのように活用していくのかなどを説明し、最終的には30人の地権者の方に賛同していただきました。
さらに、毎月一回、事業の検討会を開催し、売電益を活用して行う事業の内容についての話し合いや、意見交換などを行いました。
高津戸・清水前太陽光発電所は2016年11月に起工式を行い、2017年の5月に着工し、約一年で完成しました。約34haの土地に約11万枚のソーラーパネルが設置されています。
町民主導の太陽光発電所としてはかなり大規模なものとなっています。

Q.   どんな事業をしているのですか?
「富岡復興ソーラー高津戸・清水前太陽光発電所」が2018年3月に発電がスタートし、20年間、事業として続いていく予定になっています。売電によって出た利益は、「福祉」、「農業」、「教育」支援に当てていく予定です。具体的にどのような事業を行うかがすべて決まったわけではありませんが、すでに農業支援の事業として花卉栽培の会社が地元の農家の方々の手で立ち上がりました。富岡町は桜やつつじが有名ですが、新たにバラを加え富岡町の魅力の一つとなり、農業の再生にもつながっていくのではないかと考えて
います。
他の福祉・教育支援については町や行政の政策を踏まえ、私たちに出来ることを行っていきたいと考えています。
なお、発電所の運営管理は、2種と3種の電気主任技術師の資格を持つ方々が行っています。発電設備はもちろんのこと、太陽光パネルを設置している土地の管理も行っています。
約34ha(ヘクタール)の面積があるため、パネルのチェックや土地の管理にも時間がかかる作業となりますが、安全管理を怠らず、一つひとつの作業を丁寧に行っていただいています。


↑富岡復興ソーラー高津戸・清水前太陽光発電所 葛城裕晃さんと柳川享進さん
お二人に発電所の運営をしていただいています。

Q.   目的について教えてください

太陽光発電によって出た収益の一部を福祉、農業・教育支援にあて、ふるさと再生を目指すことです。
Q.   ビジョンについて教えてください
将来的には農業の再生や高齢者支援、人材育成を行っていくことにより、富岡町の復興に関わっていきたいと考えています。また、20年後この事業が終わった時に、太陽光発電を続けるのか、それとも農業を行うのか、など多くの選択肢を次の世代の人々に残していけるようにしたいと思っています。

Q.   理想の地域像を教えてください
まとまった売電収益を基に、地域の中で志を持った人々が集い、必要な事業を起こし、相互に有機的に作用しあいながら生活の質が向上していく、生き甲斐が生まれる、そんな地域であったらと考えています。

Q.   仕事の魅力を教えて下さい

原発の過酷事故の影響で地域の様子が一変してしまいましたが、ある意味、基本から地域の在り方を見つめなおすことができる良い機会だったとも考えられます。ゼロベースから地域の再生に関われる仕事としては、大変やりがいはある事業です。
葛城さん、柳川さんに伺いました。どのような人材と一緒に働きたいですか
自分の中に信念を持っている人です。
どんな信念を持つのかは人それぞれだと思いますが、「この仕事を通して〜したい」「〜を目標にしたい」などをしっかり持つことが大切です。完璧な正解のないことに取り組む
からこそ、成功、失敗に関わらず信念を持って取り組んでいける人と一緒に働きたいです。

Q.   大学生にはどんなことを学んできてほしいですか?
社会人になると、自由に使える時間が少なくなります。
旅行を通して新しい文化に触れることや、様々な人から話を聞くなど、大学以外にも学べることがたくさんあるので、ぜひそういったことに積極的にチャレンジしていってほしいと思います。特に長い期間休みを取ったり、複数人で出かけることはなかなか出来なくなります。それはぜひ学生のうちにやってきてほしいです。

会社情報

・法人名     一般社団法人 富岡復興ソーラー
・代表理事    遠藤 陽子
・設立年月日   2012年4月26日
・従業員数    6人
・いわき拠点   福島県いわき市泉ヶ丘1-42-3
・ホームページ  http://www.tomioka-reconstruct.jp/
・電話番号    080-1040-3254

(上の写真は発電所内にあるビジターセンターのものです。)

お話を伺って・・・
富岡町で私が住んでいた家の近くに発電所はあります。それもあり、どうしてもお話を伺いたいと思っていました。お話を伺う中でこの事業を行う理由などはもちろん、今後に向けてどのように考えているのかなどを伺うことが出来ました。
最初にバラの栽培を行うと聞いた時にはそれがどうしてなのか想像がつかなかったのですが、除染の段階で客土(ほかの場所から土を持ってきて入れ替えること)を行ったため農地の状況が悪くなったという話を伺い、だからバラの栽培なのかと納得しました。
20年先と言われてもあまりピンとこないのですが、太陽光発電事業が終わってからどのような方法をとるのかを考えるのは私たちの世代になるので、そのためにも知識を深めていきたいと思います。
改めて、今回取材にご協力いただいた「富岡復興ソーラー」の遠藤陽子さん、電気主任技術者の葛城裕晃さんと柳川享進さんに御礼申し上げます。

取材・原稿 (福島大学 佐藤 勇樹)
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この事業は、当団体が福島県「平成30年度福島県避難者・帰還者心の復興事業」の助成金を受けて行っています。

↑写真左側が葛城さん、右側が柳川さん

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設立の経緯について教えてください
「富岡復興ソーラー」の代表理事遠藤陽子さんは、元々教鞭をとっており、2010年に富岡町内の中学校で定年を迎えました。
その翌年に震災があり、避難生活を送る中で富岡町の復興が進んでいないと感じていたことから、太陽光発電で得た収益を用いて富岡町復興を目指すことを決めました。
その事業を行うために「一般社団法人富岡復興ソーラー」を設立しました。

どんな事業をしているのですか?

発電所を建設する予定だった、高津戸・清水前の地権者の方々の家を周り、建設の目的などを説明して回りました。地権者の方々が県外に避難されていたり、賛同していただけないこともありましたが、多くの地権者の方々にご協力頂き、2017年5月に着工、約一年で完成しました。

約34haの土地に約11万枚の太陽光パネルが設置されており、町民主導の太陽光発電所としてはかなり大規模なものになっています。2018年3月から発電を開始し、2018年3月から2038年まで20年間に渡り、事業を行います。
売電で得る利益を農業の再生、高齢者支援、人材育成に使っていくつもりです。

まだ具体的にどんな事業を行うか決まっているわけではありませんが、例えば、農業を再生するための手段として、バラの栽培を行う予定です。富岡町は桜とつつじが有名ですが、さらにバラの栽培を行うことで農業が活性化していくと考えています。
高齢者支援や人材育成についても町の政策等を踏まえつつ課題に応じて事業を行っていく予定です。

なお、発電所では発電設備はもちろんのこと、太陽光パネルを設置している土地の管理も行っています。約34ha(ヘクタール)の面積があるため、パネルのチェックや土地の管理にも時間がかかる作業となりますが、安全管理を怠らず、一つひとつの作業を丁寧に行っていくことを心がけています。

目的について教えてください
太陽光発電によって出た収益の一部を高齢者、農業・教育支援にあて、ふるさと再生を目指すことです。

ビジョンについて教えてください
この事業は20年という期間で行う予定です。発電所の安定運用を通して農業の再生や高齢者支援、人材育成を行っていくことにより、富岡町の復興に関わっていきたいと考えています。また、20年後この事業が終わった時に、太陽光発電を続けるのか、それとも農業を行うのかを選ぶ次の世代の人々に多くの選択肢を残していけるようにしたいと思っています。

理想の地域像を教えてください
20年後、この事業が終わり、次の世代の人々が引き継いでいくときに自分たちで決めることが出来る選択肢を作れていることが理想です。例えば、現在太陽光パネルを設置している農地で太陽光発電を継続するのか、野菜を栽培するのか、花木を栽培するのかというようにいくつか選択肢があります。どの選択をするのか今すぐには決められませんが、選択肢を広げていけるように今後の事業に寄与していきたいと思います。

仕事の魅力を教えて下さい
この事業は20年間続いていくものです。将来にむけてどのような事業を行えばよいか、何が必要になってくるのかなどを考えながら進めていくことは不安な部分もありますが、その分やりがいはあります。長期間富岡に関わっていけることが魅力の一つだと思います。

どのような人材と一緒に働きたいですか
自分の中に信念を持っている人です。
どんな信念を持つのかは人それぞれだと思いますが、「この仕事を通して〜したい」「〜を目標にしたい」などをしっかり持つことが大切です。完璧な正解のないことに取り組むからこそ、成功、失敗に関わらず新年を持って取り組んでいける人と一緒に働きたいです。

大学生にはどんなことを学んできてほしいですか?
社会人になると、自由に使える時間が少なくなります。
旅行を通して新しい文化に触れることや、様々な人から話を聞くなど、大学以外にも学べることがたくさんあるので、ぜひそういったことに積極的にチャレンジしていってほしいと思います。特に長い期間休みを取ったり、複数人で出かけることはなかなか出来なくなります。それはぜひ学生のうちにやってきてほしいです。

会社情報

・法人名     一般社団法人 富岡復興ソーラー

・代表理事    遠藤 陽子

・設立年月日   2012年4月26日

・従業員数    6人

・本社住所    福島県いわき市泉ヶ丘1-36-10

・ホームページ  http://www.tomioka-reconstruct.jp/

・電話番号    080-1040-3254

 

お話を伺って・・・

 

富岡町で私が住んでいた家の近くに発電所はあります。それもあって、どうしてもお話を伺いたいと思っていました。お話を伺う中でこの事業を行う理由などはもちろん、今後に向けてどのように考えているのかなどを聞くことが出来ました。
最初にバラの栽培を行う予定だと聞いた時には想像がつかなかったのですが、除染の段階で客土(ほかの場所から土を持ってきて入れ替えること)を行ったため農地の状況が悪くなったという話を伺い、だからバラの栽培なのかと納得しました。
20年先と言われてもあまりピンとこないのですが、太陽光発電事業が終わってからどのような方法をとるのかを考えるようになるのでそのためにも知識を深めていきたいと思います。

改めて、今回取材にご協力いただいた葛城裕晃さんと柳川享進さんに御礼申し上げます。

取材・原稿 (福島大学 佐藤 勇樹)

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この事業は、当団体が福島県「平成30年度福島県避難者・帰還者心の復興事業」の助成金を受けて行っています。


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