鏡石町にある県立岩瀬農業高校。2017年度は生産情報化流通情報コースの生徒12名が経営マーケティングプログラムを受講しています。
6月30日(金)に商品企画会議が行われました。ご参加いただいたのは、今年度の製造委託先であるMIYAKOJI sweets yui様、都路町商工会様、ご協力いただいている田村市商工観光課田村市ご当地グルメプロジェクト様です。
プログラムが始まった4月には「SUZUKI社」「Sun Rich社」という2つの模擬会社を設立しました。今年度岩瀬農業高校では、田村市ご当地グルメプロジェクトの方々と連携し、田村市の特産である「パッションフルーツ」と「山ぶどう」を使った商品の開発を進めています。
5月には、実際にパッションフルーツを栽培している佐久間さんのところへフィールドワークを行い、パッションフルーツがどんなものなのか、加工の仕方・商品化への課題についてお話を伺いました。生産者のお話からは、自分たちが住んでいる地域・近隣の地域でどんなものが生産されているのか、また商品化に取り組まれているのかを知ることができました。
その後の授業では、伺ったお話をもとにアイディア出しのフレームを用いてワークを進め、各社2商品の商品企画を行ってきました。商品企画を進める中で
「本当にこの商品を作ることができるのか?」
「このコンセプトで売れる商品になるのか?」
「地域の素材を十分に活かすことができるのか?」
といった疑問や、実際に商品化が可能なのかという課題が生徒たちから挙がったことから、岩瀬農業高校の商品を作ってくださる製造委託先の方々、協力していただいている方々との商品企画会議が実現しました。
商品企画会議では初めに、都路でプリンなどを製造・販売しているMIYAKOJI sweets yuiさんと、都路町商工会議所の方からお話を伺いました。どのような経緯でお店ができたのか、お店のコンセプト、それに合わせた商品の開発などのお話を伺い、実際にプリンと焼き菓子の試食を行いました。試食では味はもちろんのこと、パッケージや商品紹介のリーフレットに興味津々の様子の生徒たちから
「どうして、プラスチックの容器ではなくてビンにしたんですか?」
「誰がプリンのパッケージのデザインをしているんですか?」
と矢継ぎ早に質問が飛び交います。1つ1つ丁寧に答えていただき、商品開発の面白さ大変さを実感した様子でした。
試食のあとはいよいよ、現在考えている商品についての企画会議です。それぞれの商品について社長または商品部長が商品について説明し、企画書の内容だけではなくパッケージのデザインや梱包の仕方、保存の仕方などかなり詳しいことを質問されたことで、商品を作るということが、どれだけ考えられて世に出されているのかを感じたようでした。
企画会議後からは原価計算の仕方や価格の決め方について学び、そして迎えた7月27日(木)にMIYAKOJI sweets Yui様へのフィールドワークを行いました。この日に向けて、候補に挙がった商品をどういった形のものがいいのか?どんな売り方ができるのか?とより具体的に考えてきました。
まず、前回の商品企画会議をもとにYuiさまで試作をしていただいたものを試食しました。
試作をお願いしていた3商品をひとつずつ、じっくり試食しながら、自分たちがイメージしていた味と違うところがあるか?もっと良くできるところはあるか?を話ました。
「山ぶどうとパッションフルーツの香りがすごくいい!!」
「チュロスは輪っかのものでもいいんじゃないかな?」
「フルーツソースはもう少し酸味を抑えて、甘みを強くしてみたらよさそう!」
などの意見が出てきました。
普段は恥ずかしがり屋で、なかなか意見が言えない生徒たちですが良い商品を作ろうと頑張って自分たちがイメージする商品について、Yui様へ伝えます。作ることができても日持ちの観点から商品化が難しかったり、製造事体ができなかったりもします。その中で、できること、新しいこと、アイディアを取り入れていくことが大切なのだと生徒たちは感じることができました。少ない時間ではありましたが、自分たちの考えた商品が形になったこと、もっと良くできるという期待感に、胸を膨らませています。
今後は、夏休み明けに行われる株主総会を想定した計画発表会に向けて、資料作成を行い、商品概要の詳細を詰め、価格を決めていきます。
各学校でのご様子は、随時こちらのブログでご紹介していきます。
どうぞお楽しみに!
【経営マーケティングプログラムとは】
「経営マーケティングプログラム」は、アクセンチュア株式会社と一般社団法人Bridge for Fukushimaが県内5県立校(岩瀬農業高校/ふたば未来学園高校/相馬農業高校/会津農林高校/福島明成高校)で展開する、農業・水産高校向け人材育成プログラムです。グローバル化や高齢化が進む中、将来の地域復興や再生を担う農業高校や水産高校の生徒は、食品や農作物を生産する技術だけではなく、高い競争力や付加価値をつけられるような製品開発力や課題解決力、そして経営に関する知識の習得が求められます。本プログラムは、こうした知識と、その基盤となるマインドを持った人材の育成を目的としています。
アクセンチュア株式会社:https://www.accenture.com/jp-ja/vv