6月5日(月)に福島県立相馬農業高校にて、「食品表示法」についての授業が行われました。講師に株式会社 生活品質科学研究所の鈴木ちはる様を迎え、経営マーケティングプログラム受講生9名を含む食品科学科の全生徒が参加しました。
食品表示法とは、お店などで売られている商品についているラベルに対する法律です。消費者が安全に食べ物を購入できるように考えられた法律で、2020年に向けて新しく法律が改正されました。相馬農業高校では高校生たちが自分たちで作った商品や、生鮮野菜を販売します。経営マーケティングプログラムも同様に、自分達で開発した商品を販売するため、その際に食品表示ラベルが必要となります。商品を販売するものとして、食品表示について詳しく学びたいという要望があり、この授業が実施されました。
まずは、どれくらいの生徒が食品表示について知っているかということから、授業が始まりました。
「食品表示について知っている人はいますか?」
という講師の方の問いかけに、あまり手を上げる生徒がいません。普段コンビニやスーパーで手にしている商品には必ず食品表示があります。よく商品の裏面などに書かれている、原材料やカロリーなどが食品表示ラベルです。書き方や使われる言葉など、1つ1つが法律で定められており、これまで3つのバラバラの法律で定められていたものが2015年から「食品表示法」という1つの法律にまとめられてということを初めて知った高校生たち。
講師の方が説明してくれる変更点について真剣に聞き入り、時にはメモを取り学んでいきました。旧法律からの変更点はなんと10個もあるのだそうです。そして新規に追加される法律が1つ。これらを1つ1つ丁寧に解説していただきました。
「どうしてこれほどまでに、細かく法律で定められているのか?」
と感じていた高校生は多くいたはずです。そうした疑問へ応えるために、鈴木先生が用意してくれていたのが、これまでに起こってしまった食品に関する事故の資料です。大きな事故だったため、ニュースでも取り上げられており、高校生たちもよく知っているものでした。こうした事故を受けて、より安全に消費者が商品を購入できるように、また消費者自身が安全のために、十分な情報を得るためのものとして食品表示ラベルがあり、法律があるのだと理解することができた様子でした。
高校生にとっては少し難しい授業ではあったものの、今後授業や就職の際に食品に携わる高校生が多い中で、食品に対する安全という意識が高まったようでした。
経営マーケティングプログラムを受講している高校生も参加したこの授業を活かして、商品企画だけではなく、安全に消費者の方へ商品を届けるという意識をもって学んでいってくれることを期待しています。また、これまでは先生方が中心となって制作してきた表示ラベルを今年は自分たちで制作することも目指します。
最後に講師をしていただきました鈴木ちはる様へ厚く御礼申し上げます。
【「経営マーケティングプログラム」とは?】
「経営マーケティングプログラム」は、アクセンチュア株式会社と一般社団法人Bridge for Fukushimaが県内5県立校(岩瀬農業高校/ふたば未来学園高校/相馬農業高校/会津農林高校/福島明成高校)で展開する、農業・水産高校向け人材育成プログラムです。グローバル化や高齢化が進む中、将来の地域復興や再生を担う農業高校や水産高校の生徒は、食品や農作物を生産する技術だけではなく、高い競争力や付加価値をつけられるような製品開発力や課題解決力、そして経営に関する知識の習得が求められます。本プログラムは、こうした知識と、その基盤となるマインドを持った人材の育成を目的としています。
アクセンチュア株式会社:https://www.accenture.com/jp-ja/new-applied-now