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【かっこいい大人の話を聞く会】戦場フォトジャーナリスト下村靖樹

2017326日(日)に「かっこいい大人の話を聞く会」を開催しました。

 

この日のかっこいい大人は、昨年に引き続き戦場フォトジャーナリストの下村靖樹さんに来ていただきました。

下村さんは主にアフリカの内戦地域の取材を行っており、これまでにソマリアやルワンダ、ウガンダなどの状況を写真やビデオに収めてこられました。

 

この日集まった高校生は9人。

 

下村さんは、フォトジャーナリストを目指した理由から始まり、実際その目で見てきた内戦地域の状況や、なぜその内戦が起こっているか、場感溢れる説明をしてくださいました。

テレビや新聞で取り上げられてきた知識とは異なり、よりリアルな状況や自分の想像を超える事態に高校生たちは息を呑むように聞き入っていました。

 

お伺いした話を、高校生たちは一生懸命受け止め、考え、下村さんに色々な質問を投げかけていました。

 

高校生からの感想と質問そして下村さんからの答えとして

 Q.

資料集や教科書でしか知らなかった。写真に写っている人の人生とかを細かく考えられるいい経験だと感じた。日本はストレス社会とお話していましたが、日常の中で暗黙の了解(空気感)を嫌に感じる。(人に対して、)そういう(ストレスを与えようとする)ことをする側の人ってどんなことを考えていると思いますか?

A.1

日本は人のことを考える余裕がない。家に帰れば自分の居場所があるひとはそんなことはしない。自分が生きている目的をみつけることができない人が多い。最初から世界に悪人はいないと思う。アフリカでは嫌なことがあれば銃弾が飛んでくる。でも日本は飛んでこない。だから人を簡単に傷付けられる(見えない銃弾)。辛くなったらアフリカにいこう。人の本質を感じることができるし、アフリカと日本で補え合えることができると思う。

 

Q2.

こういう話から今まで逃げてきた。内戦や虐殺の経験は知っているが、あまり直視したくない。でも、聞いてみて自分でも認めなくちゃいけないし、話を聞いて思うことが沢山ある。見たことのなかった現実を突きつけられるいい経験だった。いじめについて興味を持っている。見えない銃弾の一言がいろいろ思うことがあった。自分も見えない十弾を受けていると思うし、いっぱいいっぱい。そういう話をきいて、アフリカにも行きたいと思ったし、自分と正反対の状況の人の話を聞きたいと感じた。学校と家の往復だったけど、これからはいろいろなところに目を向けたいと考えるようになった。

A.2

自分も関西から出るつもりはなかった。報道に興味があって、カメラ関係の専門学校に入った。気がつけば、長くそれを続けている。きっかけはわからないけども、一歩踏み出すことが大切。

 

その他にもたくさんの質問があがり、その一つひとつに丁寧に答えていただきました。

 

また全体を通して、下村さんは高校生へのメッセージとして

・生きていることは楽しく、そして素晴らしい。

・自分が生きている現実から離れて行っていて、生きている喜びを見つけられない。

・我々自信が知っていくためには、自分が幸せを知ること。それは、自分で見つけていかなければならない。そして、その環境をいかに作っていけるかがこれから一番重要だと感じている。

・年間3万人自死する日本社会にも「見えない銃弾」がたくさん飛んでいる。これから色々な物事に出会うと思うが、今日の話を思い出してほしい。世の中にはいろんな人がいて、善と悪には二分できない。

・人間の幸せって、死ぬ瞬間に満足することだと思う。死ぬ瞬間にクエスチョンマークが浮かばない、満足した人生を送ることだと思う。

 

と投げかけてくださいました。

下村さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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