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相双地区の輝く大人を伝えるプラットフォーム⑩ 「株式会社ダイイチ(南相馬市鹿島区)」

相双の輝く大人を伝えるプラットフォーム⑩

株式会社ダイイチ
代表取締役 下河邉 行髙(しもこうべ ゆきたか)さん

 

今回は、南相馬市鹿島区にある「株式会社 ダイイチ」代表取締役である下河邉  行髙さんのお話です。
下河邉さんを一言で表すと・・・
~現地に直接関わりながら、今後の相双地区について考え続けている人~です。
本社がある浪江町に戻ることを考えている下河邉さん。地元企業として今後どのように関わろうとしているのかなどを伺ってきました。

 

~プロフィール~
代表取締役 下河邉 行髙(しもこうべ ゆきたか)さん
下河邉さんは双葉郡浪江町出身、1959年3月生まれ。
趣味はゴルフ。

Q. 設立の経緯について教えてください

「ダイイチ」は昭和44年3月、「第一コンクリート株式会社」として浪江町に設立しました。元々地域にあった生コン会社が2社に分かれ、セメント二次製品製造を行う会社として事業をスタートすることになったのがきっかけです。そして、平成9年に「株式会社 ダイイチ」に社名を変更し事業を行ってきました。
しかし、2011年の東日本大震災後、本社があった浪江町に避難指示が出たため、私たちもそれぞれ避難をしました。バラバラになり従業員と連絡が取れない時期もありましたが、同年9月、現在事業を行っている南相馬市鹿島区で新しく工場を建設し、翌年1月から製造を再開しました。浪江町の本社も一時期稼働していましたが、現在は製造を休止し製品ヤードや材料ヤード(製品や材料を置く倉庫)として利用しています。

Q. どんな事業をしているのですか?

セメント二次製品の製造と浪江町仮設商業共同店舗施設「まち・なみ・まるしぇ」でクリーニング店、コインランドリーの運営という2つを行っています。

セメント二次製品の製造では、例えば道路の側溝に使うU字溝にも道路用コンクリート製品、下水道用製品、農業土木用製品などいくつかの種類があり種類によって形状も異なります。
会社設立当時は、ブロック塀などに利用されている空洞ブロックをメインで製造していました。需要もあり、至る所で利用されていましたが、土圧などへの耐久性や安全性の面から土木用製品の需要が高まってきたことで、土木専用のブロックの製造に移行しました。現在、当社では1日合計約40tの生コンを使用して、道路の側溝に使うU字溝や縁石などといった製品を製造しており、99%は県内、1%が県外で利用されています。
製造再開をして1、2年ほどは「放射線量の影響があるのではないか」という疑問の声もありました。それに対し私たちは製品の線量測定等を行いながら事業を行ってきました。
3年目に入ったころからそういった疑問の声も徐々になくなっていきました。

もう一つの取り組みとして、浪江町仮設商業共同店舗施設「まち・なみ・まるしぇ」でクリーニング店、コインランドリーの運営を行っています。「まち・なみ・まるしぇ」のオープンに伴い、浪江町が事業者の募集を行いましたが、なかなか事業者が決まらない状況を見て、私たちに出来ることをしたいと考えるようになりました。そこで浪江町が募集している分野のリストの中で、クリーニングやコインランドリーであれば私たちでも運営ができると考え事業を行うことになりました。クリーニング店は9時から16時、コインランドリーは24時間営業をしています。

Q. ビジョンについて教えてください

福島第一原子力発電所の廃炉には30年から40年かかるといわれており、県内外から仕事をしに来ている人が多くいます。私たちは浪江本社に戻る予定でいますが、住民だけと関わっていくのではなく、仕事などで町外から浪江に滞在している人などにも目を向けて関わっていきたいと思います。その結果として、活気が生まれ、町が成り立っていけるようになればいいと思っています。

Q. 目的について教えてください

質や量を安定させてセメント二次製品を製造することで、多くの場所で利用してもらい、結果的に人々の生活を支えていくことです。また、地域に根差した企業にしていくことです。

Q. 下河邉さんが考える理想の地域を教えてください

私が住んでいた浪江町に限らず、双葉郡の人口は震災前に比べて減少し、
郡外へ移動した企業もあります。また、どのようにして町を成り立たせるのかが今の課題としてあります。

一方で、浪江町内で幼稚園・保育所や小中学校が再開しています。福島県内で子供が少ないことから閉校する学校の話を聞きますが、浪江町では学校が閉校になってほしくはありません。地元企業が地域に深くかかわりながら事業を行い、町として成り立つように安定した産業が出来ること、従来の規模とはいかないまでも活気がる生活ができることが理想です。

Q. この仕事の魅力や、やりがいを感じるのはどんな部分ですか?

当社で製造した製品が至る所で利用されることでその場所を利用する人々の生活を支えることが出来るという点です。セメントの二次製品といっても様々な種類があり、使用される場所も異なります。それは社会の様々な場面で利用されるということであり、人々の生活を支えるということにもなります。そう考えると仕事のやりがいがあります。

Q. どのような人材と一緒に働きたいですか

物事を前向きにとらえて仕事に取り組める人ですね。
相双地区はイノベーション・コースト構想など状況が変化し続けています。予想外のことが起きて事業が失敗してもそれをいつまでも引きずらず、前向きに仕事へ取り組める人と一緒に働きたいと考えています。

Q. 大学生にはどんなことを学んできてほしいですか?

大学の講義で学んだことだけでなく、そのほかに経験したことも役に立つことがあります。
長期休暇中にインターンや課外活動に参加するなどという経験も役に立つと思いますし、国内外に旅行をすることで知る新しい文化などもあります。限られた大学生生活の中でいろいろな知識を得たり経験したりしてください。
あとこれは学んできてほしいこととは異なりますが、相双地区の現状を自分の目で見てほしいです。自分で確かめることで現状を知ることが出来ます。テレビやインターネットなどで得られる情報もありますが同じ状況を見ても感じ方は人それぞれです。訪れて感じたことを大切にしてほしいです。

会社情報

・会社名     株式会社 ダイイチ

・代表取締役   下河邉 行髙

・業種      製造業

・設立年月日   1969年3月29日

・従業員数    15人

・住所        福島県南相馬市鹿島区小池字善徳241-1

・ホームページ  http://daiichi-rmpc.com/

・電話番号    0244-26-8538

・FAX      0244-26-8539

・メールアドレス info@daiichi-rmpc.com

 

お話を伺って・・・

下河邉さんご自身も東京に避難をする中、会社再開に向けて震災直後から動き始めていて行動力を感じました。私の中で最も印象に残ったのは地元企業の在り方について伺った時です。ただ雇用を生むだけでなく住民や他企業、学校などと関わっていくことで地域としてまとまり、産業を興すことが出来るというお話が印象的でした。
また、イノベーション・コースト構想などによって、相双地区に高い技術力や研究機関が集まっているのでそれを生かして、地元企業が技術力を向上させたり、地域の魅力になるものをつくることが出来るのではないかというようにおっしゃっていました。下河邉さんが現状を生かして自分たちにもできることを模索していることが伝わってくるお話でした。

改めて、今回取材にご協力いただいた「ダイイチ」代表取締役 下河邉 行髙様に御礼申し上げます。

取材・文章(福島大学 佐藤勇樹)

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この事業は、当団体が福島県「平成30年度福島県避難者・帰還者心の復興事業」の助成金の交付を受けて実施しています。


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