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【第7回:水田裕大(みずたゆうだい)】

「実家の酒屋を継ぐ」という目標のため、高校に入る前から決めていた東京農業大学に進学した水田裕大くん。今は、経営学やマーケティングなどを学びながら、母校の仲間と、福島の食材を使ったパンの商品化プロジェクトにも取り組んでいます。時には力不足を感じて悔しい思いをすることもあるといいますが、将来の夢のために勉強を頑張っています。そんな水田くんに、高校時代のことを振り返ってもらうとともに、将来どんなことをしたいと考えているのか聞きました。

―BFFと関わるようになったきっかけを教えてください。

裕大:農業高校に通っていたんですが、そこでBFFが行っている経営・マーケティングの授業を受けていました。学校では、製造や加工、販売など6つの学科に分かれていて、自分は製造しかやっていなかったんですけど、経営・マーケティングの授業では商品の開発から製造、販売まで、一連のことを経験しました。作業するグループを「会社」とみなして取り組むのですが、将来経営者になりたいと考えているので、基本的な会社の仕組みを理解できて、大きな経験になったなと思います。その授業に来ていたBFFの藤本さんに、合宿イベントに誘われて参加したことがきっかけで、事務所にも行くようになりました。

 

【前列左から2人目】

 

―そこから校外での活動にも参加するようになったんですね。その合宿は、どんな内容だったんですか。

裕大:飯坂地域の発展について考えるというもので、ロジカルに考えるということを教えてもらいました。それまでは、論理的に考えるということ自体、さっぱり考えてなかったんですけど、実際にやってみると、経営・マーケティングの授業でも実は同じことをやっていたんだなと気づきました。合宿では、スタッフの人とか、参加している高校生とかの盛り上がりがすごくて、そういう雰囲気が好きだなと思いました。最初は本当に難しくて、ついていくのがやっとだったんですけど、経験を積んでいくごとにだんだんできるようになっていって、ロジカルに考えるという、そういう考え方がおもしろくなりました。それまで、自分の意見を言っても相手に伝わらないことも多くて、「なんでだろう?」って思ってたんですけど、それが論理的でなかったり、結びつきがなかったりということが原因だと知ることができておもしろかったです。教えてもらったことを日常的にもやってみよう、経営・マーケティングの授業でもやってみようって思いました。

―実際に、どんな場面でやってみましたか。

裕大:学校で、人前で発表するときなどにやってみて、役立ちました。経営・マーケティングの授業の中で、グループごとに会社を作って、リーダーが社長でという形でやっていたんですけど、自分は社長だったので、みんなの前で話す機会があって、伝えたいことを紙に書きだして、こういう順序で話そうっていうことをやっていました。あと大学入試でも役に立ったと思います。面接で話をしたり自己PRをしたりするときに、自分の考えを伝えられたと思います。

―リーダー=社長は、自分で立候補したんですか。

裕大:実家が酒屋をやっていて、将来は自分が継いで社長として経営したいと思っていたので、そのためにやっておこうかなと思って。やっていくうちに、グループ内でもめ事があったり、ちゃんとやってくれない子がいたりして困ったこともありました。だけど、絶対に全員参加する!という自分の意志を貫いて最後までやりました。陰で「めんどくさい」とか言われてましたけど、嫌われないために言いたいことを言わないのは嫌だったので。「なんでそこまでやるの?」と言われたこともあったけど、いいものを作らなきゃって思って。一回怒鳴っちゃったことがあったんですけど、みんな文句を言いながらも一応はやってくれました。やらないと怒られるからっていうのもあったかもしれないけど、最後までついてきてくれました。グループ6人中3人が東京での販売会に参加したんですけど、みんな楽しそうにしていたので、やってよかったなと思いました。でも、ここに「ロジカル」を取り入れようとすると、時間が足りなかったですね。週4時間の授業だけじゃ足りなかったです。

―みんなで一緒にやるために、少し妥協したところもあったんですね。きっと熱意が伝わったから、みんな付いてきてくれたんでしょう。合宿などのイベントでは、ロジカルに考えること以外には、どんなことを得ましたか。

裕大:何ごとも経験だなということです。最初に合宿に参加した時は、勇気がいったし、知らない人の中に飛び込んでいくのも苦手だったし、強く誘われたから参加できたけど、申込書を出した後も、正直、「どうしよう、行きたくない…」と思ったこともありました。でもやってみたら楽しくて、また行きたい!と思って、本当に行って良かったと思います。いろんな考えを持った高校生と触れ合えて、ロジカルな考え方もできるようになって、人脈も広がって。何ごともチャレンジだなっていう風に考え方が変わりました。

―他校の生徒も多かったと思いますが、刺激を受けることはありましたか。

裕大:農業高校では、あまり勉強する子がいなくて、BFFに行くと知識の差を思い知らされて、勉強しなきゃ!と思いました。もともと大学に行きたいと思っていたので、学校での勉強はちゃんとしていて、校内では成績も上位だったんですけど、上には上がいる、まだまだだなと思いました。大学でも、学力面で力不足を感じています。高校では、普通科では習うことをやっていなかったものもあって、政治の仕組みとか法学入門とか、基礎知識があることを前提に授業が進められるので、ちょっと困っている部分はあります。農学部なら、高校で勉強したことを生かす機会もあったかもしれませんが、経営学部なのでまったく違うことを勉強しています。でも勉強面以外では、そんなに困っていることはないですかね。高校生の時にいろんな人とかかわって、話術とか付き合い方とかわかって、いろんな人と話すことができるようになったので、大学でも積極的に話しかけて、すぐに友達もできました。

―農学部ではなく経営学部に進んだのはどうしてですか。

裕大:酒屋を継ぎたいので、もともとは農学部で醸造を学ぼうと考えていたんですけど、オープンキャンパスに行って話を聞いたら、そこは日本酒造りを学ぶところで、販売などは学べないと知りました。今は経営学部の国際バイオビジネス学科というところで、経営学やマーケティング、流通などについて学んでいて、食品のビジネスや海外展開についても学べるところです。

―大学で学んでいることをどんな風に将来に生かしたいと考えていますか。

裕大:日本では日本酒の消費量が減ってきて、酒蔵では生き残るために海外展開が必要になってきているんです。大きい酒蔵はそういうことができるけど、小さいところはやりたくてもできないということがあると思うので、自分が海外に持って行って売ることができれば、いいものを広げることができると思うんです。特に、福島の小さい酒蔵のものを持って行って、技術を伝えたり、消費量の増加につなげたりしたいです。“地元に根付いた酒屋”というのを父が大切にしているので、自分も福島の酒に誇りを持って、海外に展開できればいいなと思います。自分が海外に行って直接売り込みたいと思っているので、英語は必ず必要になると思って、特に力を入れて勉強しています。できれば留学もしたいですし、世界に日本の伝統を伝えたいなと思います。

―素敵な夢ですね。最後に、高校生に伝えたいこと、メッセージをお願いします。

裕大:苦手だと思うことにもチャレンジしてみてもらいたいです。自分もそれでいい経験をしたと思うし、そういう経験ができなかったまわりの人を見て、もったいないと思ったから。失敗してもいいから、やってみることが大切です。特に、自分の高校の後輩は、すぐなげやりになるところがあって、怒られたからもうやめる、みたいな子が多い気がします。でもそこであきらめずに粘ったら何かあるという気持ちでやってもらいたいです。「どうせ~だからやらなくていいや」とか、「どうせ無理だし」とか最初から言うのではなくて。辛いことがあったら、その先には絶対何かあるから。

 

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■ 編集後記

高校の時には学校の授業や勉強、BFFの活動だけでなく、部活動にも熱心に打ち込んでいて、そこで責任感や粘り強さを培ったといいます。母校で授業の手伝いをする機会もあるということで、何ごとにも一生懸命に取り組む水田君の姿勢から、きっと後輩たちも良い影響を受けるのではないかと思いました。話していて感じたのは、どんな人にも敬意を持って接しているのだなということです。だからこそ、周りの人からの刺激をプラスにして学ぶことができるのではないでしょうか。大学でもたくさんのことを吸収して、福島の魅力や日本酒の魅力を世界に発信できるようになってもらいたいと思いました。(I.S)

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