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【第5回:高木吏花(たかぎりか)】

通っていた地元の国立大学をやめ、これからドイツの大学で学ぶことに決めた高木吏花さん。BFFには高校3年生のときから関わり、大学生になってからはインターンとしても活動を支えてきました。「ドイツが私を呼んでいる」と清々しい笑顔で話す吏花さんに、進路を決めるまでの経緯や、将来の目標などについて聞きました。

―どうしてドイツの大学へ行こうと思ったのですか。

吏花:中学生の時にサッカーが好きになって、海外のチームにいる日本の選手のブログを見ていたんですけど、海外組はその時ドイツが多くて、それで街の風景とか、暮らしとかを見ていて、行ってみたいなぁと思っていました。どうしてサッカーが好きになったのか理由はよくわからないんですけど、今になって思うと、震災の直後の3月27日に、日本代表と、かつての日本代表が集まってチャリティマッチをやっていたのを、テレビで見たんです。その時はサッカーに興味なかったけど、それがサッカーをちゃんと見た一番古い記憶で。その1年後には、仙台で行われたチャリティマッチを一人で見に行っていたので、スタジアムに集まった多くの人が一体となっていて、純粋に素敵な空間だと思ったし、一年後でもこうしてチャリティマッチを東北で開催することに感動しました。そういう世界観をつくりだせるサッカー界の人達と一緒に仕事がしたいと当時思ったのかもしてません。。

―海外には、もともと興味はあったのですか。

吏花:海外に行ったことはなかったんですけど、地図とか、世界中の文化が載ってる図鑑とか国旗の図鑑とか見るのが好きでした。それで、高校生になってアルバイトをしてお金を貯めて、2年生の夏に1か月、ドイツに語学留学しました。語学学校に行って、ホームステイをして。でも数字くらいしかわからなくて(笑)ホームステイ先の人が何言ってるかもよくわからなかったので、とりあえずいつも笑顔でいました(笑)ドイツでは平日でも芝生でゴロゴロしてる人がいて、なんか幸せそうだなぁと思いました。その当時は、大学に行く気もなかったので、高校を卒業したら仕事をして、海外に行く機会もなくなるだろうと思っていたから、このドイツが、最初で最後の海外だと思っていました。なんとなく就職して、なんとなく生きていくんだろうなぁと思っていました。

―大学へ行こうと思ったのは、どんなきっかけだったのですか。

吏花:ドイツに行っているときに、クラスメートだったイスラエル人の友達のお母さんが、戦争で亡くなったんです。その友達は、言葉が通じなくてもいつもあいさつしてくれたり話しかけてくれたりして優しい子だったんですけど、その日をさかいにすごく暗くなっちゃって。それで、平和について学びたいと思いました。その時は、「やる気があれば、大学だって行けるだろう」くらいの気持ちで考えていました。

―その時から、日本の大学ではなくてドイツの大学を考えていたのですか。

吏花:ドイツの話とか大学の話とかをしていたら、友達のお母さんが「じゃあドイツの大学行っちゃえばいいじゃん」って言ったのを聞いて、そっか!と思って(笑)今考えると、そういう風に思ったのは正直、逃げだったかなって思います。日本ではやっていける気がしなくて、ドイツに行けば何かいいことあるだろうって思ってたのかもしれない。日本では、何かやろうとしてもできない理由ばかりつけてくるし、先生など関わっていた大人がみんな幸せじゃないように見えたから、このまま私も大人になるのかな、ドイツで大学生できたらなにか変わるのかもしれないな、と思っていました。それで、ドイツの大学の資料を取り寄せたり、どうやったらドイツの大学に行けるのか調べたりしてみたら、1年間日本の大学に行ったほうがスムーズにドイツの大学に行けることがわかって、地元の国立大に行こうって思いました。初めから、1年で辞めるつもりでした。今、当時の自分思うと、自分の受け入れたくない現状を周りのせいにして、自分では何もしないくせに誰かに助けてほしかったんだと思います。反省です。

―その時から、地元の大学に通うのは1年だけと決めていたんですね。話は変わりますが、BFFと関わるようになったのはいつからですか。

吏花:高校3年生の時にソフトバンクのプログラムでアメリカに行けることになって、その研修などでBFFの人たちと知り合いました。バイト代でドイツに行ってからはお金もなかったので、とにかく無料で海外に行ける研修などにひたすら応募し続けていて、3年生の時にやっと選考に通ったんです。実際に事前研修に行ってみたら、ほかの参加者はみんな勉強ができる高校の子ばかりで、意識高いし、できるオーラ出してて、最初は一歩引いて見てましたね。私は勉強できないし下の方って思ってたから、みんな自分より頭いいとおもって壁を作ってました。私は自分の身の丈に合ったことだけやろうって思ってしまって。だけど、アメリカに行く前に、BFFの加藤さんから、「吏花には、アメリカでリーダーシップ発揮してくれること期待してるよ」って言われたんです。え??なんで??ってすごくびっくりしたんですけど、話し合いなどで自分の意見をいっぱいしゃべっていたからと言われて、すごくうれしくて、頑張ろうって思いました。その一言で、自分でもやっていいんだって思って。勝手に壁を作ってたけど、学力なんて関係ない、一人ひとりと向き合えばいいんだと気づきました。

―その一言で、意識が大きく変わったんですね。そこから、いろんな活動に積極的に参加するようになったんですか。

吏花:FacebookでBFFの高校生チームに入れてもらったんですけど、イベントがあるたびに招待が来て、今だったら、それはイベントを設定したらチーム全員に自動的に招待が行くってわかるんですけど、その時はわからなくて、「また招待された!招待してくれたのに行かないわけにはいかない!」って全部参加してたんです(笑)そうしたら、すごく頻繁に事務所に出入りするようになっていて、イベントの時以外にも、バイトの帰りに寄ってこたつでのんびりしたり、大学入試の添削を受けに来たり。居心地がよかったんですよね。初めて事務所に来たときに、「東大に合格したい」って書いてあるのをみて、「うわっマジかよ」って思ったんですけど(笑)学校で「変わってるね」って言われるのがすごく嫌で、普通になりたいって思ってたけど、ここでは変わっているところをおもしろいってポジティブに捉えてくれるのが心地よくて。東大合格したいとか言ってる人もいるし、自分のやりたいことをまわりの目を気にしないで言っている人の姿を見て、自分も言っていいんだなって。

―大学入試のための添削にも来ていたということですが、その時からいずれドイツの大学へということは話していたんですか。

吏花:そもそもBFFには、「ドイツの大学に行きたい子」としてやって来ていたから、みんな知っていたとは思うけど、入試前に1年で辞めるつもりとはさすがに言ってなかったと思います(笑)なんとなく、休学して行こうかなくらいにぼかして言っていたかも。家族には、1年通ったらドイツに行くとは言っていたんですけど、いざ合格したら、4年行くんでしょって感じになっていて、反対されていたので、まずは親を説得してから、みんなにも話そうって思ってました。

―ご両親はどうやって説得したのですか。

吏花:留学フェローシップというイベントに参加して、海外に行くことによって自分がどう変わるかを、メリットとデメリット、その対策を示して伝えることが大切だと学んだので、資料を作って、親にプレゼンしました!うちは、父親さえ説得できれば大丈夫という感じだったので、母が不在の間に、父の好きなお香とあんみつを用意して、プレゼンしたんです。日本の大学へ行くのとの違いや、お金のこと、ドイツの留学生の様子、どこに就職したいかなど。メリットは、ドイツ語と英語を話せるようになる、世界中につながることができる、自分をみつめることができる、などを示しました。デメリットは、連絡を取りづらくなるけれど、毎日写真を送るとか、友達ができたらその友達の連絡先を教えるから、自分と連絡が取れないときはその友達に連絡してもらうようにするとか。このプレゼンで、父を納得させることができました。

―自分の親に資料を示してプレゼンをするって、すごいですね。そこまでやったからこそ、ご両親も納得してくれたんですね。ドイツの大学では、何を学ぶのですか。

吏花:地元の大学へ入るときに、サッカーにかかわること学びたいと思って、経済と経営を勉強していたので、ドイツでもスポーツマネジメントと、スポーツ社会学を学ぶ予定です。スポーツが人々の生活にどうかかわっているのかということですね。

―将来は、学んだことを生かしてスポーツに関わる仕事がしたいと考えていますか。

吏花:うーん、どうしようかなって思ってます。サッカーは好きだけど、仕事は別になんでもいいかなぁと…こういう仕事がしたいっていうよりも、こういう人間でありたいって思うのは、「前向きな雰囲気を作れたり、一人ひとりのおもしろいところを見つけられる人」でありたいなって思います。それは、どんな仕事をしていてもできることだと思うので。日本では、まわりの友達を見ていても、身の丈に合ったことをしようとしている感じがするんです。かつての自分がそうだったように。私は壁を作っていたけど、「期待してるよ」って言われて前向きになりました。自分で思っていたよりも、「もっと自分できるじゃん!」って思ったし、自分が知らない世界がまだまだたくさんあって、そこに踏み込んで行っていいんだってわかったから、ほかの人たちも、自分らしさをちゃんと愛して、自分のやりたいことをやってほしいなって思います。

学んだことは活かしたいです。初めは逃げだったドイツ留学も、BFFで活動したり、大学でのかけがえのない友達や信頼し尊敬できる仲間に出会う中で、前向きなものに変わりました。日々支えてくれる人のためにももっと成長した姿で日本に帰るため努力します。そして、幸せや笑顔の背景への感謝を忘れずに、粘り強く生きていきたいです。

―最後に、高校生にメッセージをお願いします。

吏花:もっと胸張ってほしいなって思います。一人ひとり価値がある、強みがあるから、やる気をもって打ち込めばなんでもできると思う!だから、もっとドヤ顔で生きていったらいいと思います。

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■ 編集後記

いつも天真爛漫で明るい吏花さんが、以前はまわりの目を気にしたり、壁を作ったりしていたというのはちょっぴり意外にも思いましたが、そういった経験があったからこそ、人に対して優しく接することができるのかなと納得もしました。将来のために大学へ行くのではなく、今、それをやりたいと思うからドイツへ行くという動機も吏花さんらしいと思いました。きっとドイツでも、新たな「やりたいこと」を見つけるのではないでしょうか。(I.S)

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